2ntブログ

2005年 02月 20日

スーパー劣等生

 ドラえもんをつぶさに読み返してみると
実のところ、「現実にはこんなやつ絶対いない」と思わされるのは
のび太であるような気がします。
極端な話、出来杉くんの方が、「こういうやつ、たまにいるよね」と
思えるくらいで。

「勉強もスポーツもダメ」な「いじめられっこ」ののび太は
テストではしょっちゅう0点をとり、遅刻と居眠りの常習犯。
これは漫画表現上の記号としては「劣等生」を見事に表現しているわけですが
現実に、小学生の段階で、テストで0点ばかりとるような子供がいたら
それはもう、明かな学習困難児童であり、
多くの場合日常の生活習慣や基本的言語能力に
重大な欠陥があってもおかしくないレベルの劣等生です。

しかしのび太に関しては、
少なくとも日常的なコミュニケーション能力や、
ドラえもんの道具の使いこなしっぷりを見る限り
むしろ平均的な小学生よりも高い知力を感じさせる場合すらあります。
特技であるあやとりや射撃の練達ぶりは、
並はずれた空間認識能力の高さも推測させます。

にもかかわらずなぜのび太はこうまで「劣等生」なのだろうか?

ひとつには、おそらくのび太の知力の形態が、
現行の教育制度に向いていないから、なのではあるまいか。
たとえばエジソンは、子供の頃は典型的な学習障害児童であったけれど
それは彼自身の知力が低かったからではなく、
ようするに「向いていなかった」せいで、
学校という制度・環境に適応できなかったと考えられるのである。

人には向き不向きがあり、
だから、たったひとつの価値基準で人を判断してはいけないと
これは藤子作品に置いてもたびたび語られるテーマであり
のび太はそのテーマをまさしく体現してるキャラクターだと
考えることもできるわけです。

from Doblog - 別冊兄弟拳 絵日記 -)
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